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小説の感想、解説を書いていきます。

近代文学

【短編】『檸檬』梶井基次郎

梶井基次郎の代表作です。才能のある作家でしたが、肺結核により31歳で病没しました。いくつかの作品を読んだことがあるのですが、感覚に訴えかけるような文章が独自の世界観を形成しています。 『檸檬』は梶井基次郎の中でも特に有名な作品ではないでしょう…

【短編】『恐怖』谷崎潤一郎

とても短い谷崎潤一郎の短編小説です。 1913年に大阪毎日新聞に掲載されたようです。 内容は至って簡単。 谷崎と思しき主人公が、乗り物酔いに対しての苦悩と恐怖を抱いているという、令和の現代からすればある意味滑稽な内容に見えなくもないです。 この話…

【短編】『花火』永井荷風

永井荷風(1879〜1959)の短編小説です。 小説というよりかは、とても短い随筆のような形になっています。 文庫本で15ページほどの短い内容でありながら、明治時代の日本の激動に思いを馳せていく、主人公の心情が描かれています。 パリ講和条約の記念から打ち…