気まま図書館

小説の感想、解説を書いていきます。

『カラマーゾフの兄弟』を読む①

 

あらゆる文学作品を漁っていると、どんどんとレベルの高いものが目に見えて仕方ありません。ネットで調べたりすると、たとえばAmazonでは関連作品に沢山興味深い小説がおすすめとしてあがってきます。

私は3月頃に哲学の勉強をほんの少ししたのですが、たった数日間ネットで調べただけでも読みたいものは山ほど出てきたのを覚えています。

そして世界の広さを知り、自分の狭い世界を実感せざるを得なくなったりします。


自分の狭い視野で認識できる世界で過ごすこと、それが悪いこととは思いません。

ただ仕事に熱をこめて生きていくことが全てのような世の中では、趣味や社会など仕事以外の対象に関心を示さなくなるのも頷けます。むしろその方が自然な形でしょう。

近頃は好きなことを仕事にすることや、好きなものを積極的にシェアしていく姿勢が時代の一片として顕在しています。

それはそれで、日頃の情報にいちいちアンテナを張っていく生き方を強いられているようで、自由を求めながらも息苦しさを感じていく矛盾が発生しそうです。

なので結局は、インターネットもそこそこに、本当に関心があるものにのみ、着目することがベストだと思います。


カラマーゾフの兄弟』は数年前の大学生の頃から、存在は知っていました。

ドストエフスキーがすごい作家であり、極端な話ドストエフスキーさえ読んでいれば他の作家は読まなくていいと、そんなレビューまでも見たことがあります。

そのレビューに触発されてドストエフスキーの代表作『罪と罰』を読んだことがあります。

その読みづらさに一度は挫折したのですが、読書慣れした頃に再び挑戦し、無事読み終えることができました。

 

しかし先程書きました、極端にドストエフスキーを絶賛しているレビューに同感はできず、本当にこの作家がすごい作家なのだろうかと、疑問のままに終わってしまったのです。


ドストエフスキーの本質は今作の『カラマーゾフの兄弟』にあると言われています。

ドストエフスキーの生前最後の作品であり、第一部、第二部と二つ構成で考えられていたらしいのですが、第一部を書き上げた時点で彼は亡くなってしまったようで、結局第二部は完成されずに終わりました。

いわば未完成の作品なのですが、それでもこの作品の評価は果てを知ることがありません。

 

私は数ヶ月前からこの作品を読み始めていたのですが、ブログ書くにあたって他の短編と並行して読み進めていたのもあって、話についていけなくなりました。

第4巻まで読んだのですが、登場人物もまともに把握できないままの状態で読み終えるのはさぞもったいない気がしたので、もう一度じっくり読むために、昨日また第一巻から読むことにしました。

 

今第一巻の途中まで読んだのですが、現段階では登場人物もある程度把握しており、途中の結末までも理解しているので、なんとなく話の細かい部分がこれからどう活きるのかがわかり、前回よりも面白いです。


もう少し読んだら一度感想を書いてみようかと。