気まま図書館

小説の感想、解説を書いていきます。

『カラマーゾフの兄弟』を読む②

 

 

カラマーゾフの兄弟』はタイトル通り、カラマーゾフの姓を請け負った三兄弟をメインとした話になります。長男のドミートリィ、次男のイワン、そして末っ子のアレクセイは兄弟でありながらも育ちや性格が違っており、それでもなお貪欲で道化を演じる父親の血を受け継いでいます。


長男のドミートリィは父親フョードルの一人目の妻との間に生まれました。次男と末っ子は二人目の妻の元に生まれたので、腹違いになります。今作は長男と父親との諍いが大きな話を占めるものとなっているので、特にこの二人の関係性は第1巻の時点で着目しておくと、後の展開が納得いくものといえるでしょう。

 

私が今カラマーゾフを読み返して思ったのは、末っ子のアレクセイの親友でもあるラキーチンが、まるでこれからの展開を知っているかのように、長男や次男の特徴をアレクセイに話していたところです。

 

私は最後までこの作品を読み終えていないのですが、ラキーチンは特にキーとなる行動をする人物ではないという印象なので、改めて読み返した今、彼は先見の才能があるのではないかと感じました。

 

カラマーゾフの兄弟は沢山の人物が登場するので、いちいち覚えていくのが大変ですが、じっくり読み返すと意外な人物の発言も無視できないものなのかもしれません。