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小説の感想、解説を書いていきます。

【長編】『カラマーゾフの兄弟1』フョードル・ドストエフスキー

光文社古典新訳版の『カラマーゾフの兄弟』1巻を読み終えました。

 

カラマーゾフ」は全部で5巻ありますが、この第1巻の時点でメインの登場人物はあらかた出てきます。

 

なのでこの1巻の展開をしっかりと理解しておく事で、後の話が読みやすくなりそうです。

 

長男、次男、三男のメインキャラクターとその父親を取り巻くストーリーはこれからが本番となります。


一度流し読みしただけでは、どの登場人物がどういう性格なのか、つい見失ってしまいそうなので、じっくり読んでみることをお勧めします。

 

個人的に印象に残ったのは、カラマーゾフの父親フョードルの下男であるスメルジャコフです。

 

生まれも性格も、メインのカラマーゾフの兄弟と同じくらいのインパクトがあり、これからの話に何かしら影響を与えていくのではないかと、そんな雰囲気を漂わせています。

 

作中で一番何を考えているのか、いまいち言動が読めません。

 

フョードルは次男イワンの思想に影響を受けているのではと発言していますが、謎に満ちたキャラクターです。

 

第1巻は難なく読めましたが、問題はこれからです。

 

第2巻、3巻と続くにつれて、また新しい登場人物は出てきますし、イワンの思想やゾシマ長老の死に目の場面など、難解なところは多々でてきます。

 

しかしこれからが楽しみです。


全部読み終えた時、自分は何を感じるのか、期待しながら読んでいきたいと思います。