【短編】『刺青』谷崎潤一郎
谷崎潤一郎の短編小説です。
谷崎潤一郎の文学作品での基本的なコンセプトは、小悪魔的な女性についてのものが多いです。
妖しく繊細な美人が男性を食い物にし、弄ぶsadisticなシーンが目立ちます。
そこには谷崎が一種のフェチズム的な考えを女性に抱いていたのかもしれません。
『刺青』は谷崎の初期の作品になり、まだこの段階では悪女めいた物語の感は薄いです。
しかしこの段階で、女性の蠱惑的な魅力、無骨な男性にはたどり着くことのできない魅力を文学として表しています。
このレベルの作家にしては珍しく、世の諺や真理、哲学などを語ることは極めて少なく、谷崎潤一郎のコンセプトは耽美的な華やかさです。
数分で読める名作なので、谷崎潤一郎がどんな作家なのかを知るいいきっかけになるかと思います。
では。