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小説の感想、解説を書いていきます。

『カラマーゾフの兄弟』を読む③

光文社版『カラマーゾフの兄弟』2巻に突入しました。

 

2巻のでは主人公アレクセイの尊敬するゾシマ長老がメインと章が多かった記憶です。

 

ゾシマ長老の死は、アレクセイの神への信心を揺らがせます。アレクセイは物語の中でも唯一といっていいほどの純粋さを持つ人物ですが、それゆえにたくさんの葛藤もまた抱え込んでしまうのです。

 

だからこそ物語の中で、一際魅力的に見えるカリスマもありますし、彼の行動ゆえに周りの人物も影響されていく様なども見どころです。

ネットで調べていると、この「カラマーゾフ」は続編が想定されていたらしく、ドストエフスキーの死によって永遠に未発表のままとなってしまったものです。

 

主人公アレクセイが本来活躍するのは、こちらの続編の方だった可能性も高く、ありとあらゆる想定がなされている中でも、基本的には続編の結末にアレクセイがどう絡んでくるかといった説が唱えられています。

 

今作の翻訳者である亀山郁夫が、新書で『カラマーゾフの兄弟 続編を想定する』というタイトルを出しています。もし今作を読破したら、挑戦してみようかと思います。


では。