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小説の感想、解説を書いていきます。

『カラマーゾフの兄弟』を読む④

昨日、小説家になろうのサイトにアップされている、ヤマダヒフミさんという方が書かれたドストエフスキーについての評価を読んでいました。

 

この方、経歴とかは知りませんが、かなり確信をついたものを書いておられる印象で、特にシェイクスピアドストエフスキーについての評論はとても参考になります。

 

作家として求められている力の一つとして、世界を見下ろす力があります。それは主体的になりがちな自分の心すらも客観視し、全ての存在に対し偏りのない点から物事を見る力です。

 

そこの視点には善人も悪人も関係のない、万物に対して平等ともいえる立場へ到達しているのか、そんなところが試されていることでしょう。

 

ドストエフスキーはそのような神の視点ができていたのでしょうか。「カラマーゾフ」には、善人だろうが悪人だろうが、どんな思想を持っていようが、誰にも情を入れ込まず、第三者の目線が徹底されているようでもあります。

 

そこまで卓越した文章で表現できる力が、ブログを書いている自分からすると羨ましい限りです。

 

引き続き「カラマーゾフ」について書いていきますが、次からは登場人物のことを書いていこうかと思います。