大江健三郎
小説には、その作家が強く意識しているものが物語によく登場します。 たとえば浅田次郎でしたらギャンブルが好きですので、パチンコ屋の店内とか、競馬場とかが場面として扱われるイメージです。 小川洋子の『博士の愛した数式』を読むと、あからさまにこの…
皆さんは17歳の頃の、自分の感性や価値観を覚えていますか? 私はなんとなくあんな感じだったなとか、その当時の情景を記憶から掘り下げたときの独特な懐かしさから思い出せるものもあります。 10代といえば皆さんもご存知、多感な時期の真っ最中で、10代独…
このブログをはじめた頃の話です。 私は大阪市の1番大きな図書館で、文庫本にして800ページはありそうな、大江健三郎の自選短編集を借りました。 今回はその作品集にある一つをとりあげ、 大江文学の初期の作品、『飼育』について語ろうかと思います。 この…